作曲をする際には楽器が弾けた方が良いと書いてきましたが、DTMと併用するならそれ程高いレベルの演奏技術は必要無かったりします。
DTM、というか一般的なDAW/MIDIシーケンサーにはクォンタイズという機能が備わっており、多少タイミングがずれようがどうしようが後でいくらでも修正出来るのです。
また間違った鍵盤を弾いたり、余計な鍵盤を弾いたり、或いは弾くべき鍵盤を弾かなかったりしてもやはり後で修正出来ます。
そして一般的なDAW/MIDIシーケンサーはこういった編集が大の得意であり、大抵の場合修正は一瞬で終わります。
これは、DTMを併用しないで楽器演奏を行った場合には得られない特徴であり、DTMの大きなメリットだと言えます。
実のところ、DTMで作曲を行う際に習得していたいレベルの楽器演奏技術は、今まで鍵盤楽器を全く触ったことが無い人間が一ヶ月程度練習した程度で習得出来るようなレベルだったりします。
これはもう、ほぼ誰にでも習得可能と言って良いレベルだと思います。
例えば、本来非常に速いテンポで弾きたいフレーズが浮かんだ場合でも、とりあえずそれをテンポを遅くして演奏し、DAW/MIDIシーケンサーに取り込んだ後でいくらでもテンポを速く出来ます。
実際に速いレベルで演奏するのは非常に高い演奏技術が必要なのですが、そんな高い演奏技術が無くてもその演奏を再現出来てしまうのです。
勿論、ライブ等で観客の前で実際に演奏する場合にはそういったテクニックは使用出来ないのですが、とりあえず作曲する際に必要な楽器演奏という意味で言えば、一ヶ月程度の練習で一流のプレイヤーと同程度の効率を得ることが出来ます。
そして、今のDTMのシステムは大体、そういった風に入力する事が前提として作られている場合が多く、最初から最後まで全部打ち込みで済ませるという考え方のMIDIシーケンサーはあまり多くありません。
(多くないだけで、存在しない訳では無いので、そういった方法の為に便利なMIDIシーケンサーも実際あるのですが、商用のシステムではほぼ無いと言って良いですし、一般的なDAWは通常そういった入力方法を推奨していません)
ですので、DTMをする際はやはり、簡易なMIDIキーボードを揃えておくことをお勧めします。