コンボリューションリバーブについて

最近はリバーブの選択肢としてコンボリューションリバーブの種類が増えてきて、知っておかなければならないエフェクトとなってきています。
このコンボリューションリバーブ、普通のリバーブとはどう違うのでしょうか?

コンボリューションについて


コンボリューションリバーブというのは、畳み込み演算と呼ばれる演算をPCMデータに対して行う事によりリバーブ結果のPCMデータを算出する、技術的な観点からの名称と言えます。
ユーザー視点から見ると、様々な「インパルスレスポンス」と呼ばれるファイルをコンボリューションリバーブに設定することによりリアルなリバーブ効果を得られるプラグインという事になると思います。
このコンボリューション、つまり畳み込み演算ですが、これはFIRフィルタ等で行っている演算と同じ物であり、即ちコンボリューションリバーブというのはFIRフィルタの一種である、と言う事が出来ます。
しかし、FIRフィルタではありますがリニアフェーズとはなりません。
それは何故か?
それは、「インパルスレスポンス」が通常は左右対称になっていない為です。

インパルスレスポンスについて


インパルスレスポンスというのは「インパルス」の「レスポンス」つまり応答、の事です。
ではインパルスとは何かというと、時間幅が最小で振幅が最大の信号、という事になります。
時間幅は最小という事になっていますので、純粋にインパルスのみをWavファイルにした場合、一番最初のサンプル値だけが最大の値となり、その後ろに続くサンプルは全て0となる、そういう信号です。
そしてそのインパルスをどこかで再生させたとして、その反射音(反響)を録音した物がインパルスレスポンスとなります。
このインパルスレスポンスはそのままFIRフィルタの係数として使われ、反響を録音したインパルスレスポンスでPCMデータを畳み込み演算するとリバーブとなる、という事です。
例えばここでこのインパルスレスポンスを特定の計算に基づいて人工的に作成すると、コンボリューションリバーブではなくリニアフェーズイコライザとして動作させる事も可能となります。

で、結局ユーザーはどうしたら良いの?


ユーザー視点から見た場合、内部でどのような事が起こっていようと関係なく、ただ単に反響を録音した物を利用したリバーブとして使えます。
例えば非常に短い時間の音を録音し、それを特定の場所で再生させて反響を録音し、その反響をインパルスレスポンスとして使用することでその場所の反響を再現する事が出来ます。
大抵の目ぼしい場所のインパルスレスポンスデータは恐らく最初からコンボリューションリバーブに付属していると思いますが、このようにして欲しい場所の反響を自分で録音して作る事が出来るのがコンボリューションリバーブのユーザー視点からの特徴となりますので覚えておきましょう。

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