ノイズ対策はオーディオ編集時に必須の作業でしたが、音楽がPCの中で完結するようになってから状況が少し変わってきています。
従来は、作曲はPCで行いそれをMIDIケーブルで接続した外部音源で鳴らし、その音をまたPCに戻して編集するというのがDTMのスタイルでした。
しかし最近は全ての音をソフトシンセで賄う事が出来るようになってきている為、外部の音源から音を戻すという作業が必要ない場合が発生しています。
こうなると、ノイズ源がどこにも存在しない為ノイズリダクションという作業が全く不要になります。
しかし(これはPCでオーディオ編集が行われ始めた頃からずっと言われていた事でもあるのですが)、PC内部で全てを完結させると音が非常にデジタル臭くなり、空気感が無いと言われます。
そういった空気感の喪失を避ける為に、わざわざアナログで一旦アウトした後アナログで録音してみたり、マイクで無音(実際には無音ではなく、微妙なノイズが混じっている位)を録音し、それをミックスしてみたりといった事が行われていたりもします。
これは恐らく、普段暮らしている世界の音がデジタル編集した音楽からは聴こえてこない為の違和感ではないか、と私は思ったりもしています。
(この部分は私の憶測であり、一般に発表された理論だとかそういった物ではありません)
つまり、普段そこら中にあり、しかし常に鳴っている為に無意識の内にフィルターして音としては認識しないような微妙なノイズがデジタル編集した音楽からは聴こえてこない為、「あれ?普段の音が聴こえない、おかしいな?」となり違和感となり、それがデジタル臭さとして感じられるのではないでしょうか。
アナログ時代からデジタル時代に変わり、ノイズ除去に悩まされなくなった代わりに、そのノイズが全く無い為にかえって違和感を与えてしまうとはなんとも皮肉な話です。
本業はPAです しかし、録音もやっています。もっぱらMIxDownとマスタリングです。クラッシック、アコースティック系ですが、、、。
時々あります アコースティックのバンドの現場で音を聞いて、「すごくいいのでCDを買ってみたら ごく普通の音楽だった。」
と言う話。空気感 大事です。今は 96/24で録った音をToolsでミックスしたり、48/24でのデータを44/16に落とす時PC内でディザーを使ってダウンコンバートするのではなく、AnalogEq→Finalizer経由で別PCでMasterを作り PQ打ちをしてプレスマスターを作っています。この手法が良い場合もあり、特に、の場合もあり。扱う音楽の種類によりけりですね。
記録媒体が アナログテープからデジタルデータに換わっただけで以前と同じスタイルです。
モノによればTubePreをはさんでみたりして、、、。
結局に最終的に届くところは人間の耳と体なので究極のANALOGです。
空気感 難しいです。何か技として良いものがあるか、まだ考え中です
コメント有難うございます。
スタジオにProToolsが入り始めてそろそろ20年位経とうとしているわけですが、空気感を出すための決定的な手法は未だ見つからず。
友人のジャズドラマー曰く、そういったアナログ的な音を作るのはやはりアメリカのエンジニアの方が上手い、とか。
そんな事を言わせないように、日本のサウンドエンジニアとして是非頑張ってください。