シンセサイザーの類を使うことによって色々な音を鳴らすことが出来るわけですが、シンセサイザーで音作りをするにはまず「音」そのものについて知っておくべきです。
シンセサイザーでの音作りを行う場合、「倍音」というものについて理解しておくことが重要です。
倍音というのは、簡単に言えば音色の素です。
楽器がそれぞれ違う音色を持っているのは、楽器ごとに違う倍音を含んでいる為、と言えます。
倍音というのは、基準となる周波数に対して一定倍した周波数の音、のことです。
シンセサイザーの鍵盤を押して、その鍵盤の本来の音の高さよりも一定倍率高い、あるいは低い音が同時に鳴っている、ということです。
よくあるのが周波数の2倍の音程で、これを鳴らすと基となる音の1オクターブ上の音が同時に鳴り響きます。
(12弦ギターなんかがオクターブ上の音を鳴らしてますね)
この時、どんな倍率の倍音がどれ位含まれていて、それが時間経過によりどう変化するかによって音色というものが決定されるのです。
たとえば減算系の音作りをするシンセサイザー(アナログシンセなど)の場合、最初にオシレーターで非常に倍音が多く含まれた音を作成しておき、その後フィルターによりその倍音をどんどん削っていくことにより音作りを行っています。
(フィルターで音を削るから「減算」なのです)
この時、どれ位削るかによって音の印象が変わります。
あまり削らなかった場合は輪郭のはっきりした、非常に印象の強い音になります。
思い切り削りまくった場合は輪郭が丸くなり、柔らかく暖かい音になります。
これは倍音がどれくらい含まれているかによって変わってきているのです。
倍音が多く含まれている場合、1つ音を鳴らすとそれよりももっとずっと高い音も同時に沢山鳴る事になるので、印象がはっきりしてきます。
逆に倍音が殆ど含まれていない場合、音を鳴らしてもその音よりも高い音が殆ど鳴らない為、相対的に音が柔らかい印象になるのです。
波形で見ると、倍音が殆ど含まれていない音はサイン波に近くなります。
実はサイン波というのは、特定の音の周波数が1個だけ含まれている時の波形なのです。